リケモノ。

理系大学生は物思いに耽る

FACTFULNESS(ファクトフルネス)から読み取れる少子高齢化

2018年に発表され、2019年に日本で初版が発行された『FACTFULNESS』。この本には世界のありとあらゆる間違った見解について警鐘を鳴らす文章が散見する。

私達の間違った世界の見方を正すための事実の一つとして「少子」が必ずしも悪ではないことが挙げられているのだ。

これはどういうことなのだろうか。順を追って説明しよう。

ファクトフルネスの語ること

1.世界の生活環境はどんどん良くなっている?

この本の核心は、私達が世界を見るときにあまりにも間違った偏見のフィルターを通してそれを理解しようとしているということであると考えられる。

実は私達は世界を見るものさしを50年代からアップデートしていないことにより、世界に対して「貧困国」であったり、「富裕国」といったレッテル張りをした見方しかできなくなっているのだ。

 

実は現在、世界の殆どの人々が中間層という社会階層で生活を行っていることがわかっている。このデータが何を意味しているのかというと、この世界は「先進国」と「発展途上国」に人種が二分割される時代はもうとっくに過ぎたことを表している。

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左が間違い、右が正しい人口と所得の分布


 

このデータはこの本の中に書かれている、国連や世界の公的機関が発表している比較的信頼されたものである。

 

2.日本の少子は必然だった

上記で取り上げたように世界にはすでに「先進国と途上国」という括り方が当てはまらないことがわかった。

しかしながら日本は幸か不幸か、1番上のレベル、つまり富裕層として生活することができている。これは多くのヨーロッパ諸国にも言えることであり、これらの国々では例外はあるものの大方が少子化に悩まされているのである。

 

それもそのはず、豊かになった家庭は男女平等に教育を受けることができるようになり、女性は自分の子供の数やその一人一人にかける教育費を増やそうとするマネジメント能力が発達するのである。

そのことにより、年々女性一人当たりにもつ子供の数は減っていっているのである。これは決して嘆かわしい事実ではない。子供ひとりひとりが大切に育てられるという段階まで国が豊かになったという結果なのである。

 

3.これからは大人の人口が増加する。

これまで子供の数の減少は良い結果であると言う話をしてきたが、このことはこれから世界に巻き起こる現象を予測することにも繋がっている。

これからの時代、世界は国連や他の慈善団体の力によって極度の貧困にある人々がどんどんと少なくなっていくと考えられている。すると、私たちの人口は子供が増えるというフェーズから、大人の人口が増えるというフェーズへと移行するらしい。

 

これはどういうことかというと、大人の人口が今50億人いるとすると、子供世代がどんどんと増えるも、国々が豊かになることによってその数の増加には20億人くらいで歯止めがかかる。しかし子供が増えていた時に若者だった世代よりは多くの子供がいるので、その子供たちが大人になり、今までの若者たちよりも多くの子供が大人世代に流入してくるということである。

 

このことによって「大人世代」の増加が見込まれているということだ。

 

ここからは私の憶測でしかないが、このままだと日本には、さらには世界には「恋愛を経験しない」人々が出てきてしまうのではないかという不安がよぎルのである。

 

今の女性たちは十分に教育を受けて社会に出ている。そして彼女らは自分の手によって収入を得ることができ、家庭の収入を男性に頼る時代はすでに過去のものとなっている。これまでは今までの社会常識でもよく話されていたことであるが、ここからが問題である。

 

世界的に豊かさが蔓延すると、女性は子供を産む数を減らすこととなることがわかった。さらに人々の志向は趣味やスポーツなど自分を高めることに向いていくのだろう。

すると、人々の中から恋愛の必要性というものがポッカリとなくなってしまうのではないか。実際私の友達でも「彼女は作らなくていい」や、「いてもめんどくさいだけ」という人たちが少ない。

この状況は豊かな国としてあるべき姿と言えるのだろうか。

 

これ以上の深い議論に入ることは今回はしないが、是非皆さんの意見も知りたいものである。

今回の記事はここらで締めさせていただたきたいと思う。